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STUDY プラズマ乳酸菌-研究ライブラリー-

乳酸菌 Lactococcus lactis Plasma(ラクトコッカス ラクティス プラズマ)
研究ライブラリー

Lactococcus lactis strain Plasma*
*国立研究開発法人理化学研究所バイオリソースセンターが所有するLactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805のこと

乳酸菌 L.ラクティス プラズマとは

Lactococcus lactis strain Plasma(以下、乳酸菌 L.ラクティス プラズマ)はウイルス感染防御の主要な免疫細胞であるプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)を直接活性化し、免疫賦活効果を示すことで風邪・インフルエンザ様症状の発症を軽減することが報告されている。

乳酸菌 L.ラクティス プラズマは免疫賦活効果を示す

乳酸菌 L.ラクティス プラズマはpDCを直接活性化し、各種IFNの産生を誘導する乳酸菌として報告された1)。(図1)

pDCとは、抗ウイルス効果を持つサイトカインであるtype I IFNを産生する他、ウイルスに対する獲得免疫系を制御するなど、ウイルス感染防御において主要な働きを示す免疫細胞であることが知られている2)

図1)乳酸菌 L.ラクティス プラズマ添加によるpDCからの各種IFN産生誘導

マウス骨髄由来pDC培養細胞に対して乳酸菌 L.ラクティス プラズマを添加した際に産生されるIFN濃度をELISAにて測定した。各種Toll-like receptorリガンドをポジティブコントロールとして用いた。<文献 1)より改変>

INF-α
INF-β
INF-γ

*は有意水準0.05で、統計学的に有意差あり

乳酸菌 L.ラクティス プラズマはpDCを含む樹状細胞の活性化を介して、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)を活性化することも報告されている3)。(図2)

ヒトに対する効果を検証した試験では、乳酸菌 L.ラクティス プラズマがヒトの血中pDC活性の低下を抑制すること4)、風邪・インフルエンザ様症状の発症が顕著に軽減すること5-9)が報告されている。また、同報告の中で乳酸菌 L.ラクティス プラズマを摂取したヒトの末梢血単核球中免疫細胞の抗ウイルス遺伝子の発現量が増加すること5-7, 9)も報告されている。

図2)マウスにおける乳酸菌 L.ラクティス プラズマ摂取時のNK細胞活性

マウスに2週間乳酸菌 L.ラクティス プラズマを摂取させたときのNK細胞障害活性を示す。 <文献 3)より改変>

マウスにおける乳酸菌 L.ラクティス プラズマ摂取時のNK細胞活性

*は有意水準0.05で、統計学的に有意差あり

乳酸菌 L.ラクティス プラズマの由来
~菌類の持つ歴史~

乳酸菌 L.ラクティス プラズマの属するLactococcus lactisは、中温性の酸生成菌としてチーズ、醗酵バター、バターミルク、サワークリーム、酸乳などの乳製品の製造に単独または他の乳酸菌や微生物とともに使われる10,11)。また、欧州ではヨーグルトの原型といわれる酸乳の製造に用いられている12)。このように複数の食品に使用されており、安全であることが知られていることから、欧州食品安全機関によりQualified Presumption of Safetyリストに掲載されている13)。また、北米の酪農の州であるウイスコンシン州では、州議会において、この菌を州公認微生物として2010年に決議した14)。これらの実績より乳酸菌 L.ラクティス プラズマは安全性が高く、且つ、ヒトにとってなじみのある種である。

乳酸菌 L.ラクティス プラズマは20世紀初頭の乳酸菌研究の権威であったOrla-Jensenが単離した株であり15)、欧州では広く飲まれている酸乳から分離したと考えられている16)。また、本株は、L. lactis subsp. lactis種の基準株であり、新たな菌をL. lactis subsp. lactis種と同定する際の、基準として長い間使用されている17,18,19)

乳酸菌 L.ラクティス プラズマの摂取量・摂取形態

乳酸菌 L.ラクティス プラズマのヒトにおける免疫賦活効果の有効性が1,000億個以上/日の摂取で確認されている。試験食品の形態は乳酸菌 L.ラクティス プラズマで発酵させたヨーグルト4,5,8)、乳酸菌 L.ラクティス プラズマの加熱死菌体を含有するカプセル6,9)及び飲料7)であり、生菌・死菌を問わず効果が確認されている。

安全性について

健常成人男女に乳酸菌 L.ラクティス プラズマを1,000億個以上配合した飲料を1日1本12週間摂取させた試験20)や1日3本4週間摂取させた試験20)において有害事象の発生は認められなかった。

健常成人男女に乳酸菌 L.ラクティス プラズマを5,000億個以上配合したカプセルを4週間摂取させた試験21)において有害事象の発生は認められなかった。

老化促進マウスを乳酸菌 L.ラクティス プラズマを加えた餌を与えた群と標準食群に分け、5週齢から82週齢まで飼育したところ乳酸菌 L.ラクティス プラズマ群で老化が抑制され寿命が延びることが確認された。22)


1)Jounai K, Ikado K, Sugimura T, Ano Y, Braun J, and Fujiwara D. Spherical lactic acid bacteria activate plasmacytoid dendritic cells immunomodulatory function via TLR9-dependent crosstalk with myeloid dendritic cells. PLoS One 7: e32588, 2012.
2)Swiecki M, Colonna M. The multifaceted biology of plasmacytoid dendritic cells. Nat Rev Immunol. 15:471-85, 2015.
3)Suzuki H, Ohshio K, Fujiwara D. Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805 activates natural killer cells via dendritic cells. Biosci Biotec Biochem. 80:798-800, 2015.
4)Sugimura T, Jounai K, Ohshio K, Tanaka T, Suwa M, and Fujiwara D. Immunomodulatory effect of Lactococcus lactis JCM 5805 on human plasmacytoid dendritic cells. Clin Immunol. 149: 509–18, 2013.
5)Sugimura T, Takahashi H, Jounai K, Ohshio K, Kanayama M, Tazumi K, Tanihata Y, Miura Y, Fujiwara D, and Yamamoto N. Effects of oral intake of plasmacytoid dendritic cells-stimulative lactic acid bacterial strain on pathogenesis of influenza-like illness and immunological response to influenza virus. Br J Nutr. 114:727-733, 2015.
6)Shibata T, Kanayama M, Haida M, Fujimoto S, et al. Lactococcus lactis JCM 5805 activates anti-viral immunity and reduces symptoms of common cold and influenza in healthy adults in a randomized control trial. J Func Food. 24: 492-500, 2016.
7)鈴木弘章, 金山雅也, 藤井敏雄, 藤原大介, 杉村春日. 乳酸菌Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805 含有飲料の摂取による抗ウイルス免疫応答および体調の維持に対する効果—プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験—. 薬理と治療 Vol.43 No.10 Page.1465-72, 2015.
8)Sakata K, Sasaki Y, Jounai K, Fujii T, and Fujiwara D. Preventive effect of Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805 yogurt intake on influenza infection among schoolchildren. Health. 9: 756-762, 2017.
9)Fujii T, Jounai K, Horie A, Takahashi H, Suzuki H, Oshio K, Fujiwara D, and Yamamoto N. Effects of heat-killed Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805 on mucosal and systemic immune parameters, and antiviral reactions to influenza virus in healthy adults; A randomized controlled double-blind study. J Func Food. 35: 513-521, 2017.
10)醗酵ハンドブック(共立出版社)
11)乳製品ハンドブック(光琳)
12)乳酸醗酵の分化譜(雪印乳業株式会社健康生活研究所編)
13)Scientific Opinion on the maintenance of the list of QPS biological agents intentionally added to food and feed(2012 update). EFSA Journal 10. pp.3020,2012.
14)New York Times April 15, 2010.
15)National collection of type culture カタログ
16)Dairy bacteriology(Philadelphia : P. Blakistonʼ s Son &Co.)
17)P. M. F. Shattock and A. T. R. Mattick. The Serological grouping of streptococcus lactis (group N) and its relationship to streptococcus faecalis. J Hyg (Lond). 43: 173-188, 1943.
18)E. I. Garvie & J. A. E. Farro. Streptococcus lactis subsp. cremoris(Orla-Jensen)comb. nov. and Streptococcus lactis subsp. diacetilactis. Int J Syst Bacteriol. 32: 453-455, 1982.
19)K.H.Schleifer, J. Kraus, C. Dvorak, R. Kilpper-Balz, M.D.Collins, and W.Fisher. Transfer of Streptococcus lactis and related streptococci to the genus Lactococcus. Syst Appl Microbiol. 6, 183-95, 1985.
20)田中健太郎, 鈴木弘章, 金山雅也, 藤井敏雄, 藤原大介, 野澤元, 杉村春日. 乳酸菌Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805および難消化デキストリン含有飲料の長期摂取時および過剰摂取時における安全性の検討. 薬理と治療 Vol.43 No.12 Page.1711-27, 2015.
21)Kato Y, Kanayama M, Yanai S, Nozawa H, Kanauchi O, Suzuki S. Safety evaluation of excessive intake of Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805: a randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel-group trial. Food Nutr Sci. 9: 403-419, 2018.
22)T. Sugimuraa, K. Jounaia, K. Ohshioa, H. Suzukia, T. Kirisakoa, Y. Sugihara, and D. Fujiwara. Long-term administration of pDC-Stimulative Lactococcus lactis strain decelerates senescence and prolongs the lifespan of mice. Int. Immunopharmacol. 58, 166–172, 2018

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乳酸菌 L.ラクティス プラズマ レポート
キリンの免疫研究

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KW乳酸菌 研究レポート

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乳酸菌 L.ラクティス プラズマとは、キリン・小岩井乳業・協和発酵バイオが共同研究を行っている乳酸菌です。

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